先日、アメリカ人の家に食事によばれたときのこと、友人の知り合いが離婚問題で大変困っているという話題になりました。話によると、話題の主である元夫が、元妻との別居をきっかけに執拗な嫌がらせ行為を始めたとか。そのため、元妻は多大なストレスで心身ともに困憊しているというのです。
料理を囲むテーブルでは、「彼女は、結婚前に彼のストーカー気質を見抜けなかったのかしら?」「彼がどういう家庭で、どういう育てられ方をしてきたのか、おつきあいを始める前にバックグランドチェックはしたの?」といった質問が行き交いました。
会話を聞きながら、アメリカ人どうしのカップルでも(当然のことですが)相手の家庭環境や育ってきた関係をきちんと把握してから結婚を視野に入れた交際に入るのだなあ、とひそかに合点した次第です。
一方、結婚の形が異人種間の場合、相手の育ってきた背景が見えにくいという欠点があるのも事実です。しかし、自らの手で相手のバックグランドチェックをする方法がないわけではありません。
例えば:
● 相手に離婚歴はないか。
● あった場合、養育費やアリモニー(元配偶者への手当)はどういう支払い情況に
なっているのか?
● 過去に個人破産をしていないか。
● 過去に起こした/受けた訴訟や逮捕歴など。
これらの情報開示で一番良いのは双方の話し合いのもと、相手から正直に打ち明けてもらうことですが、訴訟や犯罪歴、逮捕歴などは本人の口からは語りにくいかもしれません。なお、法律に関することであればアメリカの場合、州の裁判所で調べることができます。また、オンライン上のパブリックコートサーチでも閲覧できます。これらのサーチに本人の承諾は必要ありません。
他にも、検索ソースがいくつかありますので必要な人はぜひお試しください。
★ 個人の住所や本名等、基本的な人物確認は以下のサイトで。
http://people.yahoo.com/
http://www.anywho.com/
★日本語で調査依頼したい場合は、日本にある米国系調査会社が請け負ってくれます。
http://www.americandatabank.jp/index2.asp
国際離婚を語りあう会に寄せられる相談でとても多いのが配偶者からの暴力に関することです。過去ログにもDVに関する情報をアップしていますが、今回はずらり、一覧にまとめてみました。情報を求めている人は該当国の各機関にアクセスしてください。海外の団体には日本語が通じる窓口がいくつかあります。
ただし、配偶者の暴力が非常に激しくて、緊急事態に陥った場合はすぐに警察に電話してください。 日本は110番、アメリカなら911番です。
それ以外の場合は、まずドメスティックバイオレンスに関する情報から集めてみましょう。
“夫から投げつけられた乱暴な言葉で自分が傷ついているのもドメスティックバイオレンスなのか”。“夫から無視や嫌がらせが続くのもドメスティックバイオレンスなのか”“お金を取り上げられたまま自由を奪われているのもDVなんだろうか?”etc。
そういった疑問が湧き上がったら即座に関連書籍やインターネットを利用して調べてみることです(インターネットの場合、検索と閲覧後は必ず履歴消去を忘れずに)。情報を取り込むことによって自分が置かれている情況を理解したなら、次の疑問が出てくるかもしれません。
“どうやって暴力の場から逃げ出せばいいのか”。“逃げるには、何を準備すればいいのだろう”。
回答は以下のとおりです。
DVの問題は絶対に一人で抱え込んでいてはダメです。身内や友人に相談しましょう。ご近所で親しくしている人でもかまいません。もし身内に理解がなければ警察の生活安全課や女性センターなどの公的機関に相談してください。以下にそれぞれの機関を列挙していますが、あなたの周りにはたくさんの相談窓口があります。窓口では、子どもを連れて避難できるシェルターの案内や今後の生活や住居について相談できる福祉事務所を紹介してくれます。また公的な母子支援の制度もあれこれと教えてくれますし、機関によっては弁護士を紹介してくれるところもあります。
こういった情報を基にいよいよ、暴力の場から逃げる準備に入りましょう。身体に残されている傷があれば、証拠として写真に撮ってください。いつ、どこで手をあげられたか、逐一、記録に残しておきましょう。また、手元にはまとまった現金がありますか? 子どもと自分のパスポートや健康保険証、ソーシャルセキュリティーカード、銀行のキャッシュカードにクレジットカード、それから車と自宅の鍵も忘れないように。当面の衣類やお子さんが使う玩具や哺乳瓶などの日用品は、ボストンバックに詰めて、自分だけが分かる秘密の場所に隠し置いてください。
逃げていく先は、予め情報収集しておいたリストから選ぶとよいでしょう。シェルターやホテルに辿り着いたなら、まずは気を落ち着けて。そして今後の身の振り方をゆっくりと考えてください。心細くなったら再びシェルターや相談窓口のカウンセラーの面接を受けると落ち着くはずです。最後まで諦めずに。一日も早くDVから逃れられますよう、では日本から順次、各国の相談窓口を案内いたします。
日本:
★ 1997年から活動しているCherry BlossomのHPに各都道府県の公的相談窓口と電話番号の一覧表が掲載されています。
http://www02.so-net.ne.jp/~cherry-b/
★ 内閣府が制作した情報ページもあります。
「配偶者からの暴力被害者支援情報」から:
http://www.gender.go.jp/e-vaw/index.htm
全国の女性センターの一覧は以下のとおり
http://www.gender.go.jp/e-vaw/advicetop.htm
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米国:
ほとんどの相談機関に24時間体制のヘルプラインが用意されています。
★ The New York Asian Women's Center の HP
http://www.nyawc.org/
無料相談電話 1-888-888-7702 (日本語を話すオペレーターが応答)
日本語ページ
http://www.nyawc.org/index.cfm?fuseaction=Page.viewPage&pageID=520
★ ボストンにあるAsian Task Force Against Domestic Violence
日本語ページ
http://www.atask.org/NeedHelp_ASAP_Japanese.htm
24時間相談電話 617-338-2355
★ The Family Violence Prevention Fund
(800) 799-SAFE (799-7233)
http://endabuse.org/
リンクページのDV・Regional欄に
米国各州のDVセンターのHPアドレスがあります。
http://endabuse.org/links/
ロサンジェルス周辺
★ LA日系DVシェルター 日本語110番 1-800-527-2611(フリーダイヤル)
★ 日系ヘルプライン 1-213-473-1633 (毎日6:00am−12:00am)
サンフランシスコ
★ Asian Women's Shelter
http://www.sfaws.org/
24 時間 Crisis Line: 1-877-751-0880
★ ぱたのうちに掲載されている、「いどばた知恵袋」には米国内の
相談窓口一覧が保存されています。日本語で相談できるところが
多数ありますので、ぜひ、ご覧になってください。(保存機能付
きの情報欄を作成されたぱたさんには敬服すると同時に感謝いた
します)。
http://otd5.jbbs.livedoor.jp/goodinfo/bbs_plain?base=3547&range=1
http://otd5.jbbs.livedoor.jp/goodinfo/bbs_plain?base=3812&range=1
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香港:
★ 香港にあるDVセンター Harmony House
中国語と英語ページがあります
http://www.harmonyhousehk.org/index1.asp
24時間ホットライン 2522-0434
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英国:
★ ロンドンにあるDVに関する相談窓口
Domestic Violence Intervention Project
Telephone: 020-8748 6512 (Women)
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カナダ:
★ カナダのバンクーバーにある、Battered Women's Support Services
http://www.bwss.org/index.htm
カウンセリング受付電話番号 604-687-1867
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★ オーストラリアとニュージーランド:
以下に関連施設の一覧表があります。
http://members.aardvark.net.au/~korman/dv/help/australia.html
オーストラリアの24時間ヘルプラインは13 11 14 from anywhere in Australia for the price of a local call
夫婦の間で離婚が合意していて、複雑な揉め事が起きていない場合は、自分で出来る離婚方法があります。その道案内になってくれるのがNOLOというシステム。HPを挙げておきますので、どうぞ、ご覧になってください。HPによると、NOLOは、1970年代にバークレーで開業していた弁護士のRalph “Jake” Warner氏によって開発されました。もともと低所得者のために活動していたWarner氏は、予々から、高額の弁護士料と法律の煩雑さに途方に暮れる人たちを多く見てきました。そこで、素人でも自分の問題を自分で解決する手だてはないものだろうかと思考を重ねた結果、マニュアル化に成功。マニュアルには、法律の解説から書類への記入方法に至るまで手続きのノウハウが詰まっています。国際離婚を語りあう会にも、弁護士費用を気にしておられる方からの問い合せがありますが、もし、ご自分で対処できるのなら、Do it youselfの法律手続きを試してみてください。アメリカでの離婚手続きに入られる方、また夫がアメリカ、妻が日本に居ながら離婚手続きを進めている人たちにも役に立つ情報が詰まっています。
NOLOのHPは以下のアドレスまで。
http://www.nolo.com/about.cfm
家族法と親権については次のページが詳しいです。
http://www.nolo.com/resource.cfm/catID/BC93B1DE-97D2-44DB-87F20B0350BA0643/118/246/
入手方法は、直接上記のHPからも可能のようですが、アマゾンや大手書店のオンラインショップでも可能だと思います。
報告が遅くなってしまいましたが、以前、お知らせいたしました
例会を無事終えることができました。前回に引き続き足を運んでく
ださった皆さま、お疲れさまでした。また新たに会を訪れてくださ
った方がお二人おられました。関東方面からも複数お問い合せがあ
りましたが、会場が関西のため、参加し難いご事情もあったかと存
じます。次回の例会にはぜひ奮ってご参加いただけますよう願って
おります。
さて、当日は私を含めそれぞれの近況が報告しながら、新たに
参加してくださった方の話に耳を傾ける時間を皆さんと共有しま
した。新たに入手した情報などを交換し合いながら、有意義な時
間を過ごすことができたと思います。
そして例会に初参加してくださった方から、カリフォルニア州
の離婚に関する条文の日本語訳が「国際離婚を語りあう会」に寄
せられています。ご本人のためにご家族の方が翻訳をおこしたそ
うです。ぜひ会の活動に役立ててくださいということでしたので、
有り難くおあずかりしました。
もし、上記条文を必要な方がいらっしゃいましたら、ぜひ、ご
一報ください。自己紹介も兼ねたメールを頂けましたら折り返し
こちらから、おあずかりしている翻訳文のコピーをお送りいたし
ます。
先日、ある機関に出向いたときのこと、ロビーに次のよう
なタイトルのチラシが置いてありました。
「市民無料法律相談 リーガルクリニック」
これはロースクールの院生が市民に向けて無料相談を行う
というもので、すでにアメリカではよく見られるサービスで
す。それが、いよいよ日本でもスタートするのか……と関心
を持ってチラシを手に取りました。同説明文から一部を抜粋
してご紹介します。
ロースクール(法科大学院)が市民のみなさんを対象に無料相談
を始めます。弁護士・検察官・裁判官などの法律専門家を目指し
て勉強している学生が、ベテラン弁護士教員の指導を受けながら、
市民のみなさんの相談を無料でお受けします。
連絡先は以下のとおり。
関西学院大学ロースクール
毎週金曜日 15時20分〜17時頃 (要予約)
場所は関西学院大学西宮上ケ原キャンパス ロースクール棟
法律相談専用電話番号 0798−54−1927
きっと他の大学でも同じような相談所を設けていると思います。
ぜひ、地域で探してみてください。なお、このサービスは実際の
訴訟手続きや交渉に当たってくれるわけではありません。その代
わり、院生がじっくりと時間をかけて相談者の話を聞き、問題解
決へ向けて法的なアドバイスをおこなうとか。また相談内容に分
からないことがあれば院生自身がいろいろと調べ、その一方で、
背後に控えている指導教官が法科学生に指導を与えた上できちん
としたアドバイスを導き出すようです。
相談の受け付け内容には離婚も含まれていますので、せめて
法的なアドバイスが必要な人は試してみる価値があるような気
がします。ご参考までに。
国際離婚を語りあう会では、毎年1回、例会を開催しています。2005年の例会日時が、以下のとおり決まりましたので
ここにお知らせいたします。
3月12日(土)午後1時〜5時
会場は、大阪市内にある公的施設の会議室
会場についてはどうぞ、お問い合わせください。
折り返し、詳細を連絡いたします。
なお、例会は参加される皆さんと知恵や情報を交換しながら、
主に女性の当事者が、エンパワーできることを目的としています。
例会についてご質問、また参加希望の方は、下記のメールアドレスまでご一報ください。
会場等の詳細を折り返しお伝えいたしますので、必ずメールアドレスなどの
連絡先をお知らせください。
「国際離婚を語りあう会」 松尾寿子